建物の外部や内部の壁、柱の耐力や剛性、ねばり強さを向上させ、建物の耐震性能を高める方法を耐震補強と呼びます。
耐震補強するには様々な方法がありますが、耐震診断の結果に基づいて、バランス良く計画する必要があります。また、コスト・工期・整合性・施工性等を総合的に判断し、最適な方法を選定します。
耐震補強が必要な建築物
- 1981年(昭和56年)以前に建築されたもの(建築基準法の旧耐震基準設計)
- 1階が独立柱のピロティを有する建物や形状が特殊な建物
- ホテル・百貨店・店舗ビルなど、多くの人が集まる商業施設
- 学校・役所・公民館などの公共施設
- 増築工事を行う際に、耐震性が不足している既存建物(確認申請の構造チェック時)
耐震補強工事施工例の紹介
鉄骨フレームによる補強
既存の開口部をそのまま生かし、柱及び梁に鉄骨フレーム(ブレース)を固定して耐震性を向上させる補強方法です。採光性や開放性を重視し、取付方法・工法は多種に渡ります。また鉄骨造において、耐震性の不足した空間や既存壁撤去の上、鉄鋼の補強を行い耐震性を向上することも可能です。
RC造の鉄骨ブレース補強
マンサード型鉄骨ブレース補強
鉄骨造のブレース補強
HP耐震工法による補強
HP耐震工法は、柱・梁の接合部など形状が複雑な部位施工可能です。本工法は、主にグラウトモルタル、リブ付き分割鋼板と、連続繊維シートおよび繊維補強モルタル層の複層型の抵抗要素を付したハイブリッド型の補強構造を構成します。
HP耐震工法(外付け工法の)
施工状況
HP耐震工法(外付け工法の)
完了状況
複数階施工例
増し打ちコンクリートによる補強
既存のラーメン(骨組)内に新しい耐震壁を設けたり、構造強度の不足した壁面や床面の側部に強度確保の為に新たにコンクリートを増し打ちする補強方法です。
あと施工アンカー取付
耐震壁配筋
新設コンクリート耐震壁完成
SRF耐震補強
RC・SRC造の柱・梁・壁の既存コンクリート外周面に高延性補強材(ポリエステル繊維をベルト状に織成した材料)を接着剤にて定着する補強方法で、軽作業で施工できる手軽さがが特徴です。
RC造事務所ビルの柱及び内壁のSRF補強
既存仕上撤去
SRF補強材巻き作業
補強完了
内装仕上げ完了
耐震補強工事の施工実績
港北区総合庁舎耐震補強工事
外観
内観
長柄小耐震改修工事
外観
内観
上郷小耐震改修工事
全景
体育館内
諏訪町住宅耐震改修工事
改修前
改修後
岡田ビル耐震改修工事
外観
柱:SRF工法壁:SRF工法